50代からの相続準備|今すぐできる5つのステップ

50代からの相続準備|今すぐできる5つのステップ

「まだ早い」と思いがちな相続準備ですが、親が元気なうち、自分に余裕がある今だからこそ、できることがたくさんあります。この記事では、50代からできる相続準備を5つのステップに分けて解説します。ひとつひとつは難しくありません。できることから少しずつ始めましょう。

目次

相続準備として今すぐできること【5選】

1. 親と相続について話し合っておく

相続の話は避けがちですが、早いうちに話し合っておくことが大切です。とはいえ、「相続」の話題はどうしてもデリケートなので、スムーズに会話を進めるためのコツを押さえておきましょう。以下の秘訣を参考に、親との相続に関する会話を始めてみましょう。

1.1 親との相続話をスムーズに進める秘訣

  1. タイミングを選ぶ
    相続の話を切り出すタイミングが大事です。「お金の話」を突然切り出すと、親が警戒心を抱くことがあります。まずは、家族の健康や老後について話し合っているときに、自然に相続の話に持ち込むと良いでしょう。例えば、「お父さん、お母さんの老後について考えたら、相続のことも少し考えた方がいいかなと思って」という風に、前置きすることがポイントです。
  2. 自分も「準備している」と伝える
    相続は、親だけの問題ではありません。自分自身も「もしもの時」の準備をしていることを親に伝えると、親も安心しやすくなります。「実は私もエンディングノートを書いているんだけど、一緒に話しておくともっと安心できるよね」といった形で、自分の準備状況をシェアすることで、親も話しやすくなります。
  3. ポジティブな視点で伝える
    相続の話をする際には、「あなたに負担をかけたくないから」という気持ちを伝えましょう。これが「責任を押し付ける話」ではなく、「家族を守るための準備」というポジティブな意図だと伝わります。例えば、「もしものとき、みんなが困らないように、今から少しずつ話し合っておこうね」といった言葉を使うと、親も前向きに受け入れやすくなります。
  4. 質問を投げかける
    自分から一方的に話すのではなく、親に「どう考えているか」を尋ねることが大切です。「あなたがどんな風にしたいかを聞かせてほしい」という態度で接することで、親もリラックスし、自然な会話が生まれます。質問を交えて「どうしても言いたいこと」ではなく、親が自分の気持ちを話しやすい雰囲気を作りましょう。
  5. 感謝の気持ちを伝える
    話の終わりには、感謝の気持ちを伝えることを忘れずに。相続の話はどうしても重たい内容になりがちですが、「こうやって話してくれてありがとう。安心したよ」と伝えることで、次回も話しやすくなります。また、親が心配していることや不安に思っていることを理解し、それに寄り添う姿勢を見せると、会話が円滑に進みます。

2. 財産の把握とリスト化

いざ相続となったとき、「どこに何があるかわからない」というのがよくあるトラブルです。親の財産を一緒にリスト化しておくと、後の手続きが格段にスムーズになります。

主な項目:

  • 預貯金(銀行名・支店名・口座種別)
  • 不動産(所在地・名義)
  • 株式や投資信託
  • 保険(契約内容・受取人)
  • 借金やローンがあるかどうか

Excelやノートでも構いませんが、専用の「財産目録シート」を活用すると整理しやすくなります。

3. 遺言書の作成を検討する

親が元気なうちに、遺言書の作成を考えることも重要です。遺言書があることで、相続人同士のトラブルを防ぐ効果があります。

主な種類:

  • 自筆証書遺言:費用はかからないが、形式に不備があると無効になることも
  • 公正証書遺言:公証人が関与するため安心。費用はかかるが確実性が高い

「親に書いてもらう」だけでなく、「自分自身も書く」ことを検討しておくとベストです。

4. 名義の確認(不動産・預金)

名義が親のままでも、「実際は自分が払っている」「亡くなった祖父母のままになっている」などのケースがあります。相続時に名義が違うと、手続きが煩雑になるため、早めの確認をおすすめします。

特にチェックすべき名義:

  • 不動産(土地・建物)
  • 銀行口座
  • 証券口座や保険契約

名義が正しくなければ、将来の相続手続きが止まる原因になります。

5. エンディングノートを作る・書いてもらう

エンディングノートは、財産だけでなく、親の気持ちや希望も“見える化”できる大切なツールです。

記載しておくと良い項目:

  • 家族へのメッセージ
  • 延命治療の希望
  • 葬儀・お墓について
  • 財産・保険などの情報

遺言書ほど法的効力はありませんが、家族の「迷い」を減らし、心の支えになります。形式にとらわれず、ノートや市販の書式でもOKです。

まとめ|一歩ずつ準備を始めよう

相続準備は、「いつかやろう」では遅すぎることもあります。50代は、まだ親が元気で、自分にも行動力がある時期です。今回紹介した5つのステップの中から、自分ができることをひとつでも始めてみましょう。

📌 今日からできる小さな一歩

  • 家族と「相続について話すのは大切かもね」と話題にしてみる
  • 預金口座や不動産の名義を一度チェックしてみる
  • 市販のエンディングノートを買ってみる
目次