相続を“争族”にしないために|今できる備えとは?
相続を“争族”にしないために|今できる備えとは?
「相続」は家族にとって避けては通れない問題。
しかし、準備が不十分なままそのときを迎えると、“相続”が“争族”に変わってしまうことがあります。
兄弟で揉める、疎遠だった親族が口を出してくる、手続きが思うように進まない……
そんな事態を防ぐには、元気なうちからの備えが何より大切です。
この記事では、実際に起きやすい「争族」の事例とともに、トラブルを避けるために今できる準備をご紹介します。
「争族」とは?|相続が争いになる理由
「争族」とは、相続をめぐって親族間に争いが起こることを揶揄した言葉です。
金銭だけでなく、気持ちの行き違いや情報不足が原因で、家族の関係が壊れてしまうこともあります。
争いが起きる主な要因:
- 財産の分け方が不明確(遺言がない)
- 相続人間の不平等感(介護や援助の有無など)
- 認知症や意思疎通の問題で手続きが止まる
- 独身者の相続で相続人が多数になり意見が割れる
【実例①】父が亡くなったとき、母が認知症だったケース
3人兄弟のAさん。父が亡くなったとき、残された母は認知症が進んでおり、遺産分割協議に参加できない状態でした。
遺言書もなく、母の財産も一部混在していたため、
- 母に成年後見人をつける必要が生じ、
- 裁判所への申立てや報告義務が発生し、
- 遺産分割が完了するまでに1年以上かかってしまったのです。
家族の間では「早く話し合って終わらせたい」という気持ちと、「母を守らなければ」という想いが交錯し、精神的にも大きな負担となりました。
👉 このような事態は、「遺言書」や「任意後見契約」があれば、かなり防げます。
【実例②】おひとりさまの相続で親戚がもめたケース
生涯独身で親もすでに他界していたBさん。突然の事故で亡くなり、相続人は兄弟と甥姪が複数人となりました。
Bさんにはマンションや株式などの資産がありましたが、遺言書がなく、生前の意思も誰も知らなかったために、
- 誰が何を相続するかで意見が割れ、
- 特に関係が薄かった甥姪との交渉が難航し、
- 弁護士を入れての話し合いに発展しました。
本来なら仲良く話せたはずの兄弟間も、金銭が絡んだことで関係にひびが入ってしまったのです。
👉 独身の方こそ、「遺言書」や「死後事務委任契約」などで意思を残すことが大切です。
“争族”を防ぐために今できること
✅ 遺言書を作成する
自分の財産の分け方や思いを、文書で明確にしておきましょう。
特に「子どもが複数いる」「特定の人に多く残したい」「独身・子どもがいない」方は、遺言があるかないかで相続の難易度が大きく変わります。
可能であれば、公正証書遺言の作成をおすすめします。
✅ 家族で話し合う機会をつくる
親が元気なうちに、「財産の話」ではなく「家族を思う準備」として、少しずつ話題にしていくのがポイントです。
✅ 認知症への備え(任意後見・家族信託)
認知症になると、契約や相続手続きに意思能力が必要となるため制限がかかります。
あらかじめ、信頼できる人に財産の管理を任せる「家族信託」や「任意後見契約」などを検討しておくことで、万が一のときにも対応できます。
まとめ|“争族”を避けるには「今」動くこと
「うちは大丈夫」と思っていても、突然の相続は、誰にでも起こりうるものです。
そしてそのとき、法的な準備や家族との対話が足りないと、争いは避けられません。
“争族”を防ぐ一番の方法は、「話すこと」と「遺すこと」。
あなたや親が元気な今こそ、できる備えを一つずつ始めていきましょう。
📌 今日からできる一歩
- 親と雑談の中で「もしものとき」の話題を少しだけ出してみる
- たとえば「最近終活ってよく聞くけど、どう思う?」など、軽いトーンで投げかけることで、会話のきっかけを作れます。
- 地域の遺言・相続セミナー情報を調べてみる
- 自治体や専門家が開催する無料セミナーに親と一緒に参加してみるのも有効です。第三者の話なら、親も受け入れやすくなります。
- エンディングノートを1冊買ってみる
- 「自分用に買ってみたんだけど、けっこう考えるきっかけになったよ」と見せれば、自然と親にも関心が向きやすくなります。
みのり青山では、相続や遺産分割のお悩みや手続きの進め方に関して、初回相談無料で対応しております。
対面での面談がご心配な方や、遠方で直接お会いすることが難しい方、受付時間内にお時間が取れない方にも、お気軽にご相談頂けるように各種オンラインツール(ZOOM、LINEなど)を利用しての面談にも対応しております。
これまでの経験と実績を生かし、各種手続きをを完了までしっかりとサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
相続や遺産分割の手続きでお困りの方、ご相談ください。
【初回相談無料】「みのり青山のホームページを見た」とお伝えください。
受付時間:平日9:00から18:00(土日祝休み)運営:みのり青山司法書士事務所

〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目15−3 プリメーラ道玄坂329
03-6450-6577(平日9:00-18:00)