認知症に先手を打つ相続対策|本人が元気なうちにできること
認知症に先手を打つ相続対策|本人が元気なうちにできること
高齢化が進むなか、認知症は誰にとっても身近なリスクになっています。
実際に、認知症によって財産管理ができなくなった後に、相続や資産の整理が進まなくなるケースは年々増えています。
「元気なうち」にこそ準備しておきたいのが、相続と財産管理の対策です。
この記事では、認知症になる前にできる具体的な整理と、法的な備えについてわかりやすく解説します。
1. 認知症になると財産が“凍結”されるリスクがある
認知症と診断されると、本人の判断能力が低下し、以下のようなことができなくなります:
- 銀行口座の引き出しや解約
- 不動産の売却・賃貸契約
- 有効な遺言の作成
- 相続手続きや遺産分割への関与
➡ 結果として、財産が「凍結」され、家族も手出しできなくなる状況が起こります。
2. 本人が元気なうちにできる「3つの整理」
✅ ① 銀行口座の整理
- 複数の銀行に分散している口座を絞る
- 使っていない口座は解約しておく
- 預金の名義確認
➡ 相続後の口座凍結・手続き負担を軽減できます。
✅ ② クレジットカード・キャッシュレスの整理
- 利用の少ないカードは解約
- 支払いが自動引き落としになっているものを洗い出す
- 家族が「どのカードを使っているか」をわかるようにしておく
➡ 死後のカード利用トラブルや支払い忘れを防ぎます。
✅ ③ 重要書類の整理
- 不動産の権利証(登記識別情報)や保険証券を一か所にまとめる
- 年金・銀行・投資口座の一覧を作る
- できれば記録を残しておく(エンディングノートなども活用できます)
➡ 遺族が手続きを進めやすくなり、相続が円滑になります。
3. 法的な備え① 成年後見制度
判断能力が低下した場合に、家庭裁判所が選んだ「後見人」が本人の財産管理や契約を行う制度です。
✅ 特徴
- 家庭裁判所が関与する公的制度
- 家族が後見人になるとは限らない
- 原則として本人の財産は本人のためにのみ使用
- 不動産の売却や贈与などは家庭裁判所の許可が必要
➡ 家族でも柔軟な資産運用や贈与ができなくなるため、相続対策としては制限が大きいです。
4. 法的な備え② 民事信託(家族信託)
本人が元気なうちに、自分の財産の管理を信頼できる家族(受託者)に託し、
将来の管理・処分・承継までを契約で定めておく制度です。
✅ 特徴
- 認知症発症後も、信託契約に基づき財産管理が継続できる
- 家族が柔軟に管理・売却・贈与できる
- 遺言のように「誰にどう財産を渡すか」を決めておける
- 登記や契約書作成には専門家の支援が必要
➡ 「認知症になっても資産を凍結させない相続対策」として注目されています。
5. 専門家に相談して、自分に合った対策を
項目 | 成年後見制度 | 民事信託(家族信託) |
---|---|---|
誰が管理する? | 裁判所が選任した後見人 | 本人が任意で選ぶ受託者(家族など) |
財産の使い道 | 本人の生活・療養に限定 | 相続対策や柔軟な管理が可能 |
契約時の必要性 | 判断能力喪失後に開始 | 判断能力があるうちに契約 |
柔軟性 | 少ない(許可が必要) | 高い(自由に設計可能) |
向いている人 | 単身高齢者/家族がいない人 | 家族に管理を任せたい人/相続対策をしたい人 |
まとめ|認知症は“事前対策”がもっとも大切
対策 | 内容 |
---|---|
銀行・カードの整理 | 不要口座やカードを減らして、死後の負担を減らす |
書類の整理 | エンディングノートで「見える化」 |
成年後見制度 | 判断能力喪失後の財産保護(ただし制限あり) |
民事信託 | 柔軟な相続・資産管理を実現できる新しい選択肢 |
将来のために大切なのは、「まだ元気な今のうちに動いておくこと」です。
相続と財産管理の不安がある方は、早めに専門家に相談し、自分に合った形で備えを進めましょう。
みのり青山では、相続や遺産分割のお悩みや手続きの進め方に関して、初回相談無料で対応しております。
対面での面談がご心配な方や、遠方で直接お会いすることが難しい方、受付時間内にお時間が取れない方にも、お気軽にご相談頂けるように各種オンラインツール(ZOOM、LINEなど)を利用しての面談にも対応しております。
これまでの経験と実績を生かし、各種手続きをを完了までしっかりとサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
相続や遺産分割の手続きでお困りの方、ご相談ください。
【初回相談無料】「みのり青山のホームページを見た」とお伝えください。
受付時間:平日9:00から18:00(土日祝休み)運営:みのり青山司法書士事務所

〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目15−3 プリメーラ道玄坂329
03-6450-6577(平日9:00-18:00)