50代からの相続準備|親が実はバツイチだったら?相続が複雑なケース

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親が実はバツイチだったら?相続が複雑なケース

「うちは普通の家庭だから相続トラブルなんて…」
そう思っていたのに、いざ親の相続が発生したときに、「実は前の配偶者との子どもがいた」という事実が判明するケースは、決して珍しくありません。

この記事では、親に離婚歴がある場合に起こりうる複雑なケースについて、具体例を交えながらわかりやすく解説します。


バツイチの「前の子」も相続人になる

民法上、親(被相続人)の子どもであれば、前婚での子も現婚での子も関係なく、平等に相続人となります。
つまり、あなたにとっては「会ったこともない兄弟姉妹」が、親の財産を相続する権利を持つということです。


実際に起こりうる相続の実例

実例①:父に前妻との子がいたと知らず、遺産分割協議で発覚

ある日突然、相続手続きのために戸籍を取り寄せたら、「知らない兄弟」が出てきた――
このように、相続開始後に初めて“前の子”の存在を知るケースは多くあります。

相続手続きでは、すべての法定相続人の署名と実印が必要です。
前の子の協力が得られないと、不動産の名義変更も預金の解約もできず、手続きがストップしてしまいます。


実例②:前の子から「自分の取り分がない」と突然連絡が

逆に、自分たちは前の子の存在を知っていたけれど、連絡が取れずに進めていたところ、後から異議が出てトラブルになったという事例もあります。

「もう父とは縁を切っていたから関係ない」と思っていた前の子でも、法律上は相続人です。
相続財産が不動産や預金などの共有対象であれば、後からの主張で手続きが無効になるリスクもあります。


実例③:相続人調査の過程で、戸籍上は「2人目の子」が出てきた

父が若いころに認知していた子どもがいた――
そんな事実が、戸籍をたどっていく過程で突然出てくることもあります。

認知された子は、婚姻関係がなくても実子と同じく相続権があります。
このようなケースでは、相続人の数が想定より増えることで、遺産の取り分が減ったり、分割協議が長期化したりするリスクがあります。


実例④:実家を継ぐ予定だったが、話が変わった

長男が実家を継ぎ、親の介護も見てきた。
ところが、父が亡くなった後に「前の結婚で子どもがいた」と判明し、その子にも相続分が発生。
不動産を単独で相続するはずが、共有状態になってしまい、売却や名義変更ができなくなった――

というように、不動産の単独相続が難しくなることもあります。


まとめ|見えない相続人が後から出てくることもある

相続は「戸籍をすべてさかのぼる」ことで初めて全体像が見えるため、本人や家族すら知らない相続人が出てくることもあるのです。

  • 「うちは大丈夫」と思っていても、過去の戸籍を確認するまで油断は禁物
  • 特に離婚経験のある親の場合は、前婚の子の存在の可能性を考えておくことが必要な場合もある

相続が発生する前に戸籍の確認を行ってみてもよいかもしれません。

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