50代からの相続準備|相続人と連絡が取れないと相続はどうなる?知っておきたい対応策
50代からの相続準備|相続人と連絡が取れないと相続はどうなる?知っておきたい対応策
相続の準備を始めると、親族関係の中に「長年連絡が取れない相続人」がいることが判明する場合があります。
特に50代以上の方が親の相続を見据えて準備を始めると、このようなケースに直面することは珍しくありません。
今回は、相続人の1人と長く音信不通になっている場合のリスクと法的な対処法について解説します。
1. 相続手続きには「相続人全員の合意」が必要
相続財産の分割(遺産分割)を行うには、相続人全員の合意が必要です。
たとえ1人だけでも反対したり、連絡が取れず意思確認ができなかったりすると、次のような手続きができません。
❌ 合意がないとできない主な手続き:
- 預貯金の解約・名義変更
- 不動産の相続登記
- 株式や保険金の名義変更
- 遺産の売却や分配
これらの手続きには、相続人全員の実印の押印がある「遺産分割協議書」や、印鑑証明書の提出が必要です。
連絡が取れない相続人がいると、手続き全体がストップしてしまう可能性があるのです。
2. 連絡が取れない相続人がいる場合の選択肢
相続人と何年も音信不通で、連絡手段がなく所在が不明な場合、法的に対応する方法が複数あります。
✅ ① 不在者財産管理人の選任(民法25条)
- 家庭裁判所に申し立てて、行方不明の相続人のための財産管理人を選任
- その管理人が遺産分割協議に参加可能
- 手続きはやや複雑で、報酬や裁判所の許可が必要
✅ ② 失踪宣告の申立て(民法30条)
- 行方不明者が7年以上生死不明の場合に認められる制度
- 家庭裁判所に申し立て、公告や一定の期間経過後に「死亡したもの」とみなされる
- 相続手続き上はその人が亡くなったものとして扱うことができる
➡ ただし、失踪宣告には時間と手間がかかり、申立てから半年以上要することが多いため、早めの準備が重要です。
3. 50代からの相続準備としてやっておくべきこと
相続発生後にこうした問題で手続きが滞ることを防ぐためにも、以下の対策が有効です。
✅ ① 家族関係の棚卸しをする
- 自分の親や兄弟姉妹や親族の関係性・居場所を確認
- 相続が発生しそうなケースで、相続人が誰になるかを事前に洗い出す
- 長年会っていない親族がいれば、連絡先を調べておく
✅ ② 親が元気なうちに遺言書の作成を検討
- 公正証書遺言で財産の分け方を明確にすれば、相続手続きがスムーズになる
- 指定された人だけで手続きが進められるため、行方不明の相続人とのトラブルを減らせる可能性あり
✅ ③ 専門家に相談して法的選択肢を検討する
- 行方不明者がいる場合の対応は非常に専門的で、裁判所への申立ても必要になります
- 司法書士や行政書士、弁護士などの専門家のサポートを受けることで、リスクを最小限に抑えた準備が可能になります
まとめ|相続人に連絡が取れない人がいるなら、早めに動くことが重要
課題 | 対応方法 |
---|---|
相続手続きが進まない | 相続人全員の同意が必要なため |
遺産分割協議ができない | 実印・印鑑証明書がそろわないと無効 |
行方不明者の処理が必要 | 不在者財産管理人や失踪宣告の申立て |
手続きに時間がかかる | 半年以上を要することもある |
対策のタイミング | 早期準備が安心 |
相続人全員の合意がなければ、相続手続きは一歩も前に進みません。
特に連絡が取れない相続人がいる場合は、法的手続きを取るにも時間がかかるため、元気なうちから準備を進めることが最大のリスクヘッジとなります。
不安がある方は、相続に強い専門家に相談するところから始めてみましょう。
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