死亡退職金と相続|非課税枠や受取人との関係、トラブル防止のポイントを解説

死亡退職金と相続|非課税枠や受取人との関係、トラブル防止のポイントを解説


勤務先から支払われる「死亡退職金」。
これは遺族の生活支援として重要な役割を果たしますが、相続との関係で誤解が多い財産のひとつでもあります。

  • 相続税の対象になるの?
  • 誰が受け取るの?
  • 遺産分割の対象になる?

この記事では、死亡退職金の基本から相続との関係、非課税枠、注意点までをわかりやすく解説します。


目次

1. 死亡退職金とは?

死亡退職金とは、従業員が在職中に亡くなった場合に、勤務先から遺族に支払われる退職手当金や功労金のことです。

  • 死亡退職金の支払いは、就業規則や退職金規程に明確な定めがある場合、会社に法的支給義務が生じます
    一方で、規定がない場合でも、長年の社内慣行や会社の裁量で任意に支払われるケースもあります。
  • 一般に、生前の退職金とは異なり、遺族の生活保障が目的とされます。

2. 死亡退職金は相続税の対象になる?

✅ 結論:相続税の課税対象です(みなし相続財産)

死亡退職金は、被相続人の死亡によって発生する財産であるため、
相続税法上は「みなし相続財産」として相続税の対象となります(相続税法第3条1項3号)。

ただし、実際には以下のような非課税枠が適用されるため、多くのケースでは税負担が軽減されます。


3. 死亡退職金の非課税限度額

相続人が受け取る死亡退職金には、以下の非課税枠が適用されます:

500万円 × 法定相続人の数

✅ 例:

法定相続人が3人(配偶者+子2人)
→ 非課税限度額:500万円 × 3人 = 1,500万円

➡ 受け取った死亡退職金が1,500万円以下であれば、相続税はかかりません。


4. 誰が受け取る?遺産分割の対象?

死亡退職金の取り扱いは「会社側が誰を受取人として指定しているか」によって大きく変わります。

✅ 会社が遺族に支払う場合

  • 受取人が明確に指定されている(配偶者など)場合 → その人の固有財産
  • 指定がなく、法定相続人に支払う場合 → 相続財産に準じた扱い

➡ 明確に指定がない場合は、遺産分割の対象になる可能性があります。


5. 実務での注意点

⚠ 非課税枠の適用には「相続人」が受け取ることが条件

  • 相続放棄をした人は「法定相続人ではない」とみなされるため、非課税枠の対象外になります。

⚠ 誰が受け取るか明確にしておくことがトラブル防止に

  • 死亡退職金が高額な場合、兄弟間で分け方を巡って争いになるケースも。
  • 企業の退職金規定や慣行に加え、遺言書や付言事項で希望を明記しておくと安心です。

6. 死亡退職金と生命保険の違いは?

項目死亡退職金死亡保険金
発生タイミング勤務者の死亡後に会社から支払われる契約に基づき、死亡時に保険会社から支払われる
相続税の取扱いみなし相続財産/非課税枠ありみなし相続財産/非課税枠あり(500万円×法定相続人)
遺産分割の対象か指定なければなる可能性あり指定受取人がいれば固有財産で分割対象外

まとめ|死亡退職金は「相続財産ではない」が相続税の対象

ポイント内容
死亡退職金の性質会社から遺族への支給/相続税法上はみなし相続財産
非課税枠500万円 × 法定相続人の数
注意点受取人が相続人であること/誰に支払われるかを明確にしておく

死亡退職金は、遺族の生活支援として大切な財産である一方、課税や分割のルールを誤ると相続トラブルの火種になることもあります。

金額が大きい場合や受取人が複数いる場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

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