遺言書情報証明書とは?自筆証書遺言が検認不要で使える新しい制度を解説

遺言書情報証明書とは?自筆証書遺言が検認不要で使える新しい制度を解説


自筆証書遺言には「検認が必要」「紛失リスクがある」などの課題がありました。
それを解消するのが、法務局による「自筆証書遺言書保管制度」と「遺言書情報証明書」です。

この制度を利用すると、家庭裁判所の検認を経ることなく、遺言内容に基づいてスムーズに相続手続きが進められます。


目次

1. 遺言書情報証明書とは?

遺言書情報証明書とは、法務局に保管されている自筆証書遺言の内容を証明する文書です。
遺言者が生前に法務局へ遺言書を預けていた場合、相続開始後、相続人はこの証明書を取得することで相続手続きを進めることができます。

✅ 従来の自筆証書遺言との違い:

  • 検認が不要
  • 原本は法務局に保管され、返却されない
  • 相続手続きにはこの「情報証明書」を使用

2. 遺言書情報証明書に記載されている情報

項目内容
遺言者の氏名・生年月日・住所・本籍基本的な本人情報
遺言書の作成日・保管開始日登録情報の履歴
保管されている法務局の名称手続き先の明記
保管番号一意に管理される番号
受遺者・遺言執行者の情報(該当者がいれば)相続人以外への遺贈情報
データ化された遺言書の写し実際の遺言内容を証明する部分
財産に関する資料登記事項証明書、通帳写しなどが添付されることも

※ 証明書の末尾には保管官の記名・電子印が入り、正式な文書として使用できます


3. 遺言書情報証明書の交付を受ける方法

✅ 対象者

相続人・受遺者・遺言執行者、またはこれらの法定代理人(後見人等)

✅ 流れ

  1. 交付請求する保管所を決める
     全国どの法務局(遺言書保管所)でも請求可能
  2. 必要書類を準備
     - 遺言者の出生から死亡までの戸籍
     - 相続人全員の戸籍謄本・住民票
     - 受遺者・遺言執行者の場合は自身の住民票
     - または、法定相続情報一覧図(戸籍の代わりに提出可)
  3. 予約して交付申請
     法務局は予約制。交付請求書は事前作成がおすすめ
  4. 交付請求と手数料の支払い
     - 手数料:1,400円(収入印紙)
     - 郵送の場合は返信用封筒と切手が必要
     - 窓口受取時は本人確認書類を持参

4. 相続人への通知制度あり

遺言書情報証明書を取得・閲覧すると、他の相続人に「遺言が保管されていた事実」が通知されます。
ただし、遺言書の内容自体は通知されません

通知される内容
遺言者の氏名・生年月日
保管している法務局名
保管番号(個別ID)

※ そのため、法務局への提出書類には、相続人全員の住民票が求められます


5. 遺言書情報証明書でできる相続手続き

取得した遺言書情報証明書は、以下のような相続手続きに使用可能です:

  • 銀行預金の名義変更・解約
  • 不動産登記(相続登記)
  • 証券会社や保険会社への届出
  • 税務署への申告(相続税申告など)

原則、原本は各手続き後に返却されるため、必要通数を考慮して請求すればOKです。


6. 原本は返却されない

遺言者が死亡した後は、自筆証書遺言の原本そのものは返却されません
遺言書は法務局で保管され続け、相続人であっても閲覧や返還は不可です。

よって、「遺言書そのものを見たい」や「記念として保管したい」という希望は叶いません。
実務上は、遺言書情報証明書をもって遺言の内容を確認・執行していくことになります


まとめ|遺言書情報証明書は相続手続きの新しいスタンダードに

項目内容
対象となる遺言書法務局に保管された自筆証書遺言
証明書の役割検認不要で相続手続きができる書面
取得者相続人・受遺者・遺言執行者等
必要書類戸籍、住民票、収入印紙など
注意点原本は返却されない・予約制

遺言書情報証明書を活用すれば、相続人の負担を減らし、相続開始後の手続きを円滑に進めることが可能です。

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